ジョーカー 映画。 ジョーカー : 作品情報

超映画批評『ジョーカー』90点(100点満点中)

ジョーカー 映画

監督:トッド・フィリップス 脚本:トッド・フィリップス 制作:ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ 音楽:ヒドゥル・グドナドッティル キャスト:ホアキン・フェニックス、 ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツら 上映時間:122分 日本公開:2019年10月04日 配給:ワーナー・ブラザース 映画「ジョーカー」あらすじ 映画「ジョーカー」あらすじは以下のとおり 「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。 都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに密かな好意を抱いている。 ジョーカーになる前の主人公「アーサー」は皆を笑わせる・楽しませる「コメディアン」を夢見ています。 貧乏な中、母親の介護もしていますし、非常に心優しい男なんですね。 ピエロの派遣会社で働いていて、ジョークを言ってもなかなか受けないですが、小児病棟などでは笑い(笑顔)をとることはできる。 彼には「笑ってはいけない場面で、ついつい笑ってしまう」という持病があります。 それが原因で、会社の同僚には疎まれ、おそらく友人もいない。 周囲の人には気味悪がられているんですね。 で、その病気を止める(笑いを止める)には薬が必要。 アーサーが住むのは、バットマンシリーズでおなじみの町「ゴッサム・シティ」は、腐敗した町です。 町の方針で福祉にお金をかけられないということが決まり、彼は薬を得られなくなる。 そんな矢先、母親もふとしたことから入院し、仕事も首になるという不幸が重なります。 彼は会社の同僚からもらった銃を使って…という話。 アーサーは銃で証券マン3人を衝動的に殺してしまいます。 警察に追われつつも、自身の父親らしき政治家のウェインに会いに行く。 すべては母親の妄想だった。 アーサーは母親を殺害し、「ジョーカー」の格好をして、呼ばれたコメディ番組に登場。 司会者を銃殺し、警察に捕まる。 ジョーカーの行動も相まって、町中の人は暴徒化し、ゴッサムシティは火につつまれる。 そしてアーサーは精神病院に入れられる、、、という結末。 監督は「ハングオーバー! 」のトッド・フィリップス 監督はコメディ映画「ハングオーバー! 」の監督で知られるトッド・フィリップス。 コメディの名手が手掛けた結果、「笑い」と「狂気」は紙一重ということがよく分かる一作となっています。 ジョーカーのテーマ考察(ネタバレ) 以下、ネタバレですのでご注意ください。 貧困と格差がある現代社会 心優しく、慎ましく生きているアーサー。 彼を支える福祉(セーフティネット)がなくなり、富裕層(上級国民)は映画を見て笑うだけである。 これが一種の社会批判になっています。 アーサーは、母親の言葉をずっと信じて、政治家のウェインを希望の対象と思っていた。 正義の味方であり、自分を救ってくれると。 しかしウェインは、アーサーが起こした事件を見て 「貧困な人々は社会の負け組。 ピエロの仮面をかぶらないと犯罪もおかせない臆病者」と語ります。 「狂っているのは自分か、世界か」と冒頭で問いかけがあるように、この格差社会そのものが間違えている、おかしいとしたら、それって壊れていいよね? というのが視聴者の無意識に埋め込まれる仕組みです。 現代日本が今よりも不況になったとき、このテーマがより如実に浮かび上がる気がします。 自分の中にいるジョーカーを肯定してもいいんじゃないか、と。 誰の心のなかにもジョーカーはいる 誰の心のなかにもジョーカー的な存在がいるんですよね。 で、この作品の恐ろしいところは、ジョーカーについつい感情移入しそうになるところです。 ジョーカーの貧困な状況、虐げられる状況。 ゴッサムシティの腐敗と、政治不信。 それらの救いようのない状況から、ついつい弱者の側であるアーサーに自己投影してしまう作りになっています。 しかし、徐々に「アーサーのヤバさ、狂気」が見えてきて、視聴者として彼を客観的に見られるようになっていく。 とそこで、アーサーが「本当の自分はこれだったんだ」と語るところから、 自分のほんとうの気持ちはなんだろう? 自分は素直に生きているのだろうか? と心揺さぶられるんですね。 物語の最後。 アーサーがコメディーショーの司会者を殺し、捕まります。 その際の街の描写が秀逸。 暴徒がゴッサムシティを火まつりにして、暴れているのですが、映像美もあいまって、なんともいえないカタルシスになります。 アーサーはその光景を本当に「美しい」と思っていたでしょう。 そして、事故にあって気を失っていたアーサーが生き返り、周囲から大歓声を浴びるシーン。 これこそ彼が思い描いてたものであり、ずっと認められたい、誰かに自分を見て欲しいと思っていた彼の願いが、いびつながらもかなったシーンなんですよね。 ここにきてアーサーの気持ちが少しわかる。 わかってしまう。 そこにこの映画のスゴさ、そして恐ろしさがあるのだと思います。 この作品を見た後のなんともいえない感覚の正体はなにか?• アーサーがかわいそうだった• 悪に落ちるのはダメだ• 上級国民(社会の上位層)許さない! などのシンプルな感想が、いだきにくいところだと思うんですよね。 つまり、自分の中にいるジョーカーを無意識に感じる。 だからこそ、見終わった後の「言葉にならない感じ」があるのだと思います。 チャップリン「人生は近くで見ると悲劇だが、 遠くから見れば喜劇」 作中にチャップリンの映画が映っていましたね。 また、近代社会を描いた作品「モダンタイムズ」のテーマ局「Smile」も何度も作中で使われていました。 「人生はずっと悲劇だと思っていた。 でも外から見れば喜劇なんだよな」 「主観で見れば喜劇だ」 ということを語っていました。 実際、映画内では、彼がジョーカーになった瞬間から、それまでのおどろおどろしい音楽が反転。 一気に明るい音楽が流れ、お立ち台から降りる彼の姿はなんとも晴れやか。 で、これってチャップリンが 「悲劇を喜劇」に見せたのと逆。 ジョーカーという作品は 「喜劇が悲劇」に見えるんですよね。 ジョーカーからすれば 「悲劇に思えていた人生は、実は喜劇だった」という主観。 しかし、それを更に外側から見ている我々からすると、それは「悲劇」だよね、と感じてしまう。 この構造が非常に面白い。 ジョーカーの面白い部分の感想(ネタバレ) 土台がグラグラ揺れる感じ(妄想が連発する) この作品のエンターテイメントとして面白いところは、主人公アーサーの見えていた世界にトリックがあるところですね。 つまり、アーサーは妄想をしていた、ということが分かり、見えていたシーンが嘘だったと分かる。 同じマンションに住む女性とは何も関係がなかったこと。 母親とウェインの子どもかもしれない?と思いきや、妄想だったこと。 そうやって、自分を支えていた「何か確からしいもの」が音を立てて壊れていく感じを疑似体験できるんですよね。 それがあるから、• そもそも全てはアーサーの妄想だったんじゃないか?• コメディショーに呼ばれたのすら妄想だったのでは? とついつい思ってしまったり。 不穏な音楽と相まって、作品の土台がグラグラ揺れる感じが見ていて堪らなかったです。 僕らの中に潜む悪意と、消費税増税の今公開されることの意味 日本で「消費税」が増税された10月。 この作品は公開されました。 今後確実に不景気になる時代に、このゴッサムシティの「悪」と行き場のない「不満」を見ると、なんとも言えない気持ちになります。 結局、人々の暮らしは貧しく、日常には悪意が溢れ、一方で上級国民たちは良い暮らしをしている。 そんなことを無意識に思っている中で、この作品最後の「暴徒たちが町を壊す」が妙に爽快です。 ジョーカーという作品を通じて「悪はいけないことだ」ということはよく分かりつつも、いつの間にかジョーカーに心を奪われた我々は、その光景にどこかカタルシスというか、なんともいえない良さを感じるんですよね。 もちろん、理性の上では「町を壊すのはダメだし、テロもダメだ」ということはわかっている。 ただジョーカーが語るように「本当の自分はこういうものだ」という気持ちもどこかにある。 つまり、感情の奥底には自分にも「ジョーカー的なもの」があるんじゃないか、とゾッとするわけですよ。 アーサー(ジョーカー)の人生を想像する アーサーは最初、弱いものとして描かれます。 同僚には嫌がらせをされますし、上司には疎まれる。 不良少年たちにボコボコにされるし、カウンセラーは自分の話をまともに聞いてくれない。 彼は小児病院に銃を持っていったことで、仕事をクビになるわけですが、それまで何か悪いことをしていのだろうか?とつい思ってしまいます。 そもそも、小児病棟では、彼は笑いをとれていたというか仕事をできていたわけですし、母親の介護もしていた、と。 つまり、彼自信はもともと「優しい人」ということが描かれています。 一方で、同じマンションに住む女性をストーカーしたりと、狂気の面、悪い一面も確かに持っている。 一方で、直接的な告白などはできなかった(妄想だった)というところから、彼の弱さ、自信のなさが浮かび上がります。 というのも「チック症」みたいな笑いで、社会生活を送るのが大変難しかっただろうと思うんですよね。 友達はいない。 同僚にも疎まれる。 上司にもバカにされる。 彼のこれまでの人生を想像するとなかなかに悲惨です。 まともな仕事にはつけないでしょうし、まともな人間関係はつくれなかっただろう、と。 ジョーカーの分かりづらいところを解説 アーサーと母親はどこまでが妄想か問題 私の解釈ですが• 彼の希望• 自分の愛しているという発言を受け入れてくれる• 自分の「笑い」も受け入れてくれる• すべてを捨ててでも「君を息子にしたい」と言ってくれる が詰まっていたということ。 アーサーが母親を殺した理由は? 自分を騙していたというのもそうですが、アーサーが笑う病気になったのは、虐待のせいなんですよね。 過去の新聞に「頭の大怪我」というのがありましたけど、あれが直接の原因でしょう。 なぜ小人病の元同僚は許された? ここまでさんざん書いていますが、アーサー自身はもともとは心優しい人間なんですよね。 で、小人病の元同僚に対しては、優しくしてもらっていた。 これは、彼がそのネタを笑ってはいけないと考えていたということ。 つまり、もともと悪い感情は持っていなかった。 アーサーからすると彼は数少ない「友人」だったんですよね。 ウェインってそもそも誰?あの子どもは誰? これはバットマンシリーズを見ていないとわからないと思います。 政治家のウェインは、大金持ちでしたよね。 で、政治家ウェインの息子「ブルース・ウェイン」が途中に出てきましたよね。 彼は、後のバットマンです。 で、物語最後の暴動が起きた日は、ウェイン夫妻は殺されて、ブルースウェインが一人残されました。 つまりこれは、 アーサーがジョーカーとして目覚めた日でありながら、 ブルース・ウェインがバットマンになるキッカケの日でもあった… という描写ですね。 映画「ジョーカー」誕生に影響を与えたキング・オブ・コメディとタクシードライバー 映画「ジョーカー」誕生に影響を与えた映画は主に3つ。 キング・オブ・コメディ• モダンタイムズ• タクシードライバー 名作『タクシードライバー』。 主人公トラヴィスは低賃金のタクシードライバーをしつつ、世の中を憂う。 ある日、堕落した世の中をクリーンにしてあやると思ったトラヴィスは、モヒカン・サングラスにイメチェンする。 そして、大統領候補の政治家の暗殺を企てる。 この作品も、監督自身が影響を受けたと語っていますし、見終わった後の「なんともいえない感じ」が近しい。 この映画を見ると、ジョーカーがより深く楽しめるので、是非見ておきましょう。 まとめ:ジョーカーは今見るべき映画 ハッキリ言って、ジョーカーを見ても良い気持ちにはなりません。 なんとも言えない気持ちで終わるはず。 それはきっと、自分の中にあるジョーカー的なものに気づいたからだと思います。 なんとなく世界情勢が悪くなりそうな予感と、閉塞感のある日常。 そういった現代だからこそ、見る価値がある作品だなと思います。 自分でもまだ咀嚼しきれていない作品です。 見終わった後の、なんとも言えない感じを持っている方、コメント待ってます。

次の

映画『ジョーカー』ネタバレ感想・考察!誰もが彼になりうるかもしれない...。悪の誕生、過去を描いた良作

ジョーカー 映画

監督:トッド・フィリップス 脚本:トッド・フィリップス 制作:ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ 音楽:ヒドゥル・グドナドッティル キャスト:ホアキン・フェニックス、 ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツら 上映時間:122分 日本公開:2019年10月04日 配給:ワーナー・ブラザース 映画「ジョーカー」あらすじ 映画「ジョーカー」あらすじは以下のとおり 「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。 都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに密かな好意を抱いている。 ジョーカーになる前の主人公「アーサー」は皆を笑わせる・楽しませる「コメディアン」を夢見ています。 貧乏な中、母親の介護もしていますし、非常に心優しい男なんですね。 ピエロの派遣会社で働いていて、ジョークを言ってもなかなか受けないですが、小児病棟などでは笑い(笑顔)をとることはできる。 彼には「笑ってはいけない場面で、ついつい笑ってしまう」という持病があります。 それが原因で、会社の同僚には疎まれ、おそらく友人もいない。 周囲の人には気味悪がられているんですね。 で、その病気を止める(笑いを止める)には薬が必要。 アーサーが住むのは、バットマンシリーズでおなじみの町「ゴッサム・シティ」は、腐敗した町です。 町の方針で福祉にお金をかけられないということが決まり、彼は薬を得られなくなる。 そんな矢先、母親もふとしたことから入院し、仕事も首になるという不幸が重なります。 彼は会社の同僚からもらった銃を使って…という話。 アーサーは銃で証券マン3人を衝動的に殺してしまいます。 警察に追われつつも、自身の父親らしき政治家のウェインに会いに行く。 すべては母親の妄想だった。 アーサーは母親を殺害し、「ジョーカー」の格好をして、呼ばれたコメディ番組に登場。 司会者を銃殺し、警察に捕まる。 ジョーカーの行動も相まって、町中の人は暴徒化し、ゴッサムシティは火につつまれる。 そしてアーサーは精神病院に入れられる、、、という結末。 監督は「ハングオーバー! 」のトッド・フィリップス 監督はコメディ映画「ハングオーバー! 」の監督で知られるトッド・フィリップス。 コメディの名手が手掛けた結果、「笑い」と「狂気」は紙一重ということがよく分かる一作となっています。 ジョーカーのテーマ考察(ネタバレ) 以下、ネタバレですのでご注意ください。 貧困と格差がある現代社会 心優しく、慎ましく生きているアーサー。 彼を支える福祉(セーフティネット)がなくなり、富裕層(上級国民)は映画を見て笑うだけである。 これが一種の社会批判になっています。 アーサーは、母親の言葉をずっと信じて、政治家のウェインを希望の対象と思っていた。 正義の味方であり、自分を救ってくれると。 しかしウェインは、アーサーが起こした事件を見て 「貧困な人々は社会の負け組。 ピエロの仮面をかぶらないと犯罪もおかせない臆病者」と語ります。 「狂っているのは自分か、世界か」と冒頭で問いかけがあるように、この格差社会そのものが間違えている、おかしいとしたら、それって壊れていいよね? というのが視聴者の無意識に埋め込まれる仕組みです。 現代日本が今よりも不況になったとき、このテーマがより如実に浮かび上がる気がします。 自分の中にいるジョーカーを肯定してもいいんじゃないか、と。 誰の心のなかにもジョーカーはいる 誰の心のなかにもジョーカー的な存在がいるんですよね。 で、この作品の恐ろしいところは、ジョーカーについつい感情移入しそうになるところです。 ジョーカーの貧困な状況、虐げられる状況。 ゴッサムシティの腐敗と、政治不信。 それらの救いようのない状況から、ついつい弱者の側であるアーサーに自己投影してしまう作りになっています。 しかし、徐々に「アーサーのヤバさ、狂気」が見えてきて、視聴者として彼を客観的に見られるようになっていく。 とそこで、アーサーが「本当の自分はこれだったんだ」と語るところから、 自分のほんとうの気持ちはなんだろう? 自分は素直に生きているのだろうか? と心揺さぶられるんですね。 物語の最後。 アーサーがコメディーショーの司会者を殺し、捕まります。 その際の街の描写が秀逸。 暴徒がゴッサムシティを火まつりにして、暴れているのですが、映像美もあいまって、なんともいえないカタルシスになります。 アーサーはその光景を本当に「美しい」と思っていたでしょう。 そして、事故にあって気を失っていたアーサーが生き返り、周囲から大歓声を浴びるシーン。 これこそ彼が思い描いてたものであり、ずっと認められたい、誰かに自分を見て欲しいと思っていた彼の願いが、いびつながらもかなったシーンなんですよね。 ここにきてアーサーの気持ちが少しわかる。 わかってしまう。 そこにこの映画のスゴさ、そして恐ろしさがあるのだと思います。 この作品を見た後のなんともいえない感覚の正体はなにか?• アーサーがかわいそうだった• 悪に落ちるのはダメだ• 上級国民(社会の上位層)許さない! などのシンプルな感想が、いだきにくいところだと思うんですよね。 つまり、自分の中にいるジョーカーを無意識に感じる。 だからこそ、見終わった後の「言葉にならない感じ」があるのだと思います。 チャップリン「人生は近くで見ると悲劇だが、 遠くから見れば喜劇」 作中にチャップリンの映画が映っていましたね。 また、近代社会を描いた作品「モダンタイムズ」のテーマ局「Smile」も何度も作中で使われていました。 「人生はずっと悲劇だと思っていた。 でも外から見れば喜劇なんだよな」 「主観で見れば喜劇だ」 ということを語っていました。 実際、映画内では、彼がジョーカーになった瞬間から、それまでのおどろおどろしい音楽が反転。 一気に明るい音楽が流れ、お立ち台から降りる彼の姿はなんとも晴れやか。 で、これってチャップリンが 「悲劇を喜劇」に見せたのと逆。 ジョーカーという作品は 「喜劇が悲劇」に見えるんですよね。 ジョーカーからすれば 「悲劇に思えていた人生は、実は喜劇だった」という主観。 しかし、それを更に外側から見ている我々からすると、それは「悲劇」だよね、と感じてしまう。 この構造が非常に面白い。 ジョーカーの面白い部分の感想(ネタバレ) 土台がグラグラ揺れる感じ(妄想が連発する) この作品のエンターテイメントとして面白いところは、主人公アーサーの見えていた世界にトリックがあるところですね。 つまり、アーサーは妄想をしていた、ということが分かり、見えていたシーンが嘘だったと分かる。 同じマンションに住む女性とは何も関係がなかったこと。 母親とウェインの子どもかもしれない?と思いきや、妄想だったこと。 そうやって、自分を支えていた「何か確からしいもの」が音を立てて壊れていく感じを疑似体験できるんですよね。 それがあるから、• そもそも全てはアーサーの妄想だったんじゃないか?• コメディショーに呼ばれたのすら妄想だったのでは? とついつい思ってしまったり。 不穏な音楽と相まって、作品の土台がグラグラ揺れる感じが見ていて堪らなかったです。 僕らの中に潜む悪意と、消費税増税の今公開されることの意味 日本で「消費税」が増税された10月。 この作品は公開されました。 今後確実に不景気になる時代に、このゴッサムシティの「悪」と行き場のない「不満」を見ると、なんとも言えない気持ちになります。 結局、人々の暮らしは貧しく、日常には悪意が溢れ、一方で上級国民たちは良い暮らしをしている。 そんなことを無意識に思っている中で、この作品最後の「暴徒たちが町を壊す」が妙に爽快です。 ジョーカーという作品を通じて「悪はいけないことだ」ということはよく分かりつつも、いつの間にかジョーカーに心を奪われた我々は、その光景にどこかカタルシスというか、なんともいえない良さを感じるんですよね。 もちろん、理性の上では「町を壊すのはダメだし、テロもダメだ」ということはわかっている。 ただジョーカーが語るように「本当の自分はこういうものだ」という気持ちもどこかにある。 つまり、感情の奥底には自分にも「ジョーカー的なもの」があるんじゃないか、とゾッとするわけですよ。 アーサー(ジョーカー)の人生を想像する アーサーは最初、弱いものとして描かれます。 同僚には嫌がらせをされますし、上司には疎まれる。 不良少年たちにボコボコにされるし、カウンセラーは自分の話をまともに聞いてくれない。 彼は小児病院に銃を持っていったことで、仕事をクビになるわけですが、それまで何か悪いことをしていのだろうか?とつい思ってしまいます。 そもそも、小児病棟では、彼は笑いをとれていたというか仕事をできていたわけですし、母親の介護もしていた、と。 つまり、彼自信はもともと「優しい人」ということが描かれています。 一方で、同じマンションに住む女性をストーカーしたりと、狂気の面、悪い一面も確かに持っている。 一方で、直接的な告白などはできなかった(妄想だった)というところから、彼の弱さ、自信のなさが浮かび上がります。 というのも「チック症」みたいな笑いで、社会生活を送るのが大変難しかっただろうと思うんですよね。 友達はいない。 同僚にも疎まれる。 上司にもバカにされる。 彼のこれまでの人生を想像するとなかなかに悲惨です。 まともな仕事にはつけないでしょうし、まともな人間関係はつくれなかっただろう、と。 ジョーカーの分かりづらいところを解説 アーサーと母親はどこまでが妄想か問題 私の解釈ですが• 彼の希望• 自分の愛しているという発言を受け入れてくれる• 自分の「笑い」も受け入れてくれる• すべてを捨ててでも「君を息子にしたい」と言ってくれる が詰まっていたということ。 アーサーが母親を殺した理由は? 自分を騙していたというのもそうですが、アーサーが笑う病気になったのは、虐待のせいなんですよね。 過去の新聞に「頭の大怪我」というのがありましたけど、あれが直接の原因でしょう。 なぜ小人病の元同僚は許された? ここまでさんざん書いていますが、アーサー自身はもともとは心優しい人間なんですよね。 で、小人病の元同僚に対しては、優しくしてもらっていた。 これは、彼がそのネタを笑ってはいけないと考えていたということ。 つまり、もともと悪い感情は持っていなかった。 アーサーからすると彼は数少ない「友人」だったんですよね。 ウェインってそもそも誰?あの子どもは誰? これはバットマンシリーズを見ていないとわからないと思います。 政治家のウェインは、大金持ちでしたよね。 で、政治家ウェインの息子「ブルース・ウェイン」が途中に出てきましたよね。 彼は、後のバットマンです。 で、物語最後の暴動が起きた日は、ウェイン夫妻は殺されて、ブルースウェインが一人残されました。 つまりこれは、 アーサーがジョーカーとして目覚めた日でありながら、 ブルース・ウェインがバットマンになるキッカケの日でもあった… という描写ですね。 映画「ジョーカー」誕生に影響を与えたキング・オブ・コメディとタクシードライバー 映画「ジョーカー」誕生に影響を与えた映画は主に3つ。 キング・オブ・コメディ• モダンタイムズ• タクシードライバー 名作『タクシードライバー』。 主人公トラヴィスは低賃金のタクシードライバーをしつつ、世の中を憂う。 ある日、堕落した世の中をクリーンにしてあやると思ったトラヴィスは、モヒカン・サングラスにイメチェンする。 そして、大統領候補の政治家の暗殺を企てる。 この作品も、監督自身が影響を受けたと語っていますし、見終わった後の「なんともいえない感じ」が近しい。 この映画を見ると、ジョーカーがより深く楽しめるので、是非見ておきましょう。 まとめ:ジョーカーは今見るべき映画 ハッキリ言って、ジョーカーを見ても良い気持ちにはなりません。 なんとも言えない気持ちで終わるはず。 それはきっと、自分の中にあるジョーカー的なものに気づいたからだと思います。 なんとなく世界情勢が悪くなりそうな予感と、閉塞感のある日常。 そういった現代だからこそ、見る価値がある作品だなと思います。 自分でもまだ咀嚼しきれていない作品です。 見終わった後の、なんとも言えない感じを持っている方、コメント待ってます。

次の

映画『ジョーカー』ネタバレ感想・考察!誰もが彼になりうるかもしれない...。悪の誕生、過去を描いた良作

ジョーカー 映画

ジョーカーの作品情報 タイトル ジョーカー 原題 Joker 製作年 2019年 日本公開日 2019年10月4日 金 上映時間 118分 ジャンル サスペンス 監督 トッド・フィリップス 脚本 トッド・フィリップス スコット・シルバー 製作 トッド・フィリップス ブラッドリー・クーパー エマ・ティリンガー・コスコフ 製作総指揮 リチャード・バラッタ ジョセフ・ガーナー ブルース・バーマン キャスト ホアキン・フェニックス ロバート・デ・ニーロ ザジー・ビーツ ビル・キャンプ フランセス・コンロイ ブレット・カレン グレン・フレシュラー ダグラス・ホッジ 製作国 アメリカ 配給 ワーナー・ブラザーズ映画 ジョーカーの作品概要 あの「ジョーカー」が主演の映画が作られる。 そのニュースは、瞬く間に多くの映画ファンの間に広まった。 それほどまでに、本作は映画ファンにとってまさに待望の一本なのである。 数多くいるヴィランの中でもトップレベルの人気を誇るジョーカー。 初登場からかなり時が経過しているものの、その実態の多くは未だ謎に包まれている。 そんなジョーカーの謎のベールがとうとう明らかになる本作。 元々ジョーカーのファンである人がハマるのは勿論のこと、これまで彼を知らなかった人も間違いなくその魅力にやられることになる。 とある出来事から、バットマンやゴッサム・シティを苦しめる強敵、ジョーカーへと変貌を遂げる。 マレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ) 数々のテレビ番組に出演する大物司会者。 アーサーがジョーカーへと堕ちていく大きな原因を作る。 ソフィー・デュモンド(ザジー・ビーツ) 日々を必死に生きるシングルマザー。 ジョーカーが目をかけている女性。 ジョーカーのあらすじ(ネタバレなし) 舞台は、バットマンがその活動を開始する以前のゴッサム・シティ。 アーサー・フレックは、街の片隅で大道芸人として生きる冴えない男。 そんな彼を支えていたのは、母が幼少期よりアーサーに言い続けた、「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉。 母の願いを叶えようと、常にピエロの扮装で笑顔を携え必死に生きてきたアーサー。 しかし、そんなアーサーに世界は優しくなかった。 アーサーを恫喝しては金を奪い取っていく若者達。 それでも必死に前を向いて生きてきたアーサーだったが、とうとうそんなアーサーの心を折る出来事が起こる。 こうして、アーサーはその後バットマンの最大の敵となる『ジョーカー』へと変貌していくのだった。 ネタバレ ジョーカーの感想・評価 『ジョーカー』というキャラクター ヒーロー映画において悪役とは、物語を盛り上げるために必要不可欠な存在。 しかし、後にも先にも、これほどまでに視聴者からの人気を得た悪役はいないのではないだろうか。 それ程の魅力を持つのが、この『ジョーカー』というキャラクターである。 1940年に誕生して以降、バットマンの最大の敵として立ちはだかり続けてきたジョーカー。 『犯罪界の道化王子』のキャッチコピーから分かるように、ピエロに扮した独特の格好、犯罪に対する独自の理念、掴み所のない性格、そして、そのカリスマ性から、多くのファンを虜にしてきた。 とても『普通』ではないジョーカーのパーソナリティがどのようにして構築されたのか。 ジョーカーファン必見の作品。 ホアキン・フェニックスのジョーカー ジョーカーという人気キャラクターは、これまでジャック・ニコルソンやジャレッド・レトなど数多くの俳優達によって演じられてきた。 その中でも最も有名なのが、同キャラクターでアカデミー賞助演男優賞も獲得したヒース・レジャーではないだろうか。 そして、本作で主人公、ジョーカーを演じるのはホアキン・フェニックス。 ホアキン・フェニックスといえば、『』や『』など数多くのビッグタイトルに出演してきた実力派。 そんな彼が、過去に名優達が演じてきたキャラクターを、どのように自分流に染めるのか。 ジョーカーというキャラクターの新たな一面が見られることを期待しよう。 名言は出るのか? 奇抜な外見、独自の悪のポリシーなど、ジョーカーには数えられないほどの魅力がある。 その一つとして作中に何個も登場する名言の数々がある。 2008年に公開されたクリストファー・ノーラン監督の『』でも、「Hit me! 」や「How about a magic trick?」など、観客を痺れさせるような名言を連発。 その中でも特に「why so serious?」は、映画のキャッチコピーとしても使用されている程の人気。 元来のジョーカーファンは、そんなジョーカーのカリスマ的名言を本作でも期待している筈。 演者も監督も前作とは違う今作では、また違う今作では、また異なった系統のジョーカーが楽しめる筈。 そんなジョーカーから果たしてどのような名言が飛び出すのか、期待が集まるところ。 映画『ジョーカー』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。 『ジョーカー』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。 ダークナイト 過去に『ジョーカー』というキャラクターが出演した作品は数多くあったが、その中でも最も有名且つ高く評価されたのは本作ではないだろうか。 本作は、クリストファー・ノーラン監督がメガホンを取ったバットマン三部作の第2部にあたる作品。 ストーリーは勿論のこと、特にジョーカーを演じたヒース・レジャーの演技が高く評価されており、あらゆる賞、さらにはアカデミー賞助演男優賞獲得という功績を残している。 犯罪がはびこる町、ゴッサム・シティ。 そんな街で、夜な夜なバットマンが犯罪者を捉えていた。 バットマンの存在により、徐々に減少していく犯罪率。 しかし、そんな中、史上最もバットマンを苦しめることとなる敵が現れる。 その敵の名前は、『ジョーカー』。 詳細 グラディエーター 2000年に公開された、本作の主演を務めるホアキン・フェニックスの出世作。 アカデミー賞で作品賞や主演男優賞を獲得した名作であり、当時26歳であったホアキンも本作で助演男優賞にノミネートされている。 アントニヌス朝のローマ帝国が舞台の本作。 皇帝であるマルクスから、信頼を勝ち取る人物がいた。 その男の名前はマキシマス。 皇帝自らマルクスに次期皇帝になって欲しいと願い出るが、それを妬んだ皇帝の息子、コモドゥスによって皇帝が暗殺されてしまう。 さらに、マキシマスは処刑を命じられ、さらには妻子を殺されてしまう。 命辛々逃げ延びたマキシマスは、奴隷に身を落としながらもコモドゥスへの復讐を誓うのだった。 詳細 マレフィセント ハリウッドでも1、2位を争う色気の持ち主、アンジェリーナ・ジョリー。 そんな彼女が2014年に主演を務めたのが本作。 本作のタイトルにもなっているマレフィセントとは、『』に出てくる悪役の名前。 本作は最新作同様、物語の悪役を主人公に描いた物語なのである。 昔、妖精の国と人間の国が対立していた時代。 妖精の国に生まれたマレフィセントは、国に迷い込んできたステファンという少年と恋に落ちる。 2人の愛は揺らぐことなく、彼らは大人になっていく。 しかし、自らの出世という欲望に飲まれたステファンは、マレフィセントを裏切り彼女の翼を切り落としてしまう。 最愛の人に裏切られたマレフィセントは、人間達への復讐を誓うのだった。 詳細 ジョーカーの評判・口コミ・レビュー JOKERを観て「ジョーカーに感情移入できた、自分だってジョーカーになりうると思った」っていう感想を持つ人と、それを「大袈裟、厨二病だ」ってバカにする人がいるけど、これこそ映画内で描かれていた下位層とその叫びを冷たい目で見つめる富裕層の構図そのもので、やっぱこの映画すげぇわと思った。 — おばちゅう🌐グウェシリウス STARWARS3915 ジョーカー、感想! ホアキンの演技の細かさに感嘆。 アーサーは弱々しくて繊細だけど、並外れた行動力を隠し持っていた。 ボロアパートの売れないコメディアンが、ピエロメイクで腐った世間を喜劇と嘲笑し踊り狂う「弱者のシンボル」へと変貌する…社会現象になっても不思議じゃない、そんな映画。 — チャーリー@映画アカウント LseydouxJbardem Jokerを見た感想 ・開始1分足らずで胸糞悪い ・見たら鬱になる ・人の心を丁寧に一つずつへし折って心を壊す描写が丁寧。 ・幸せなシーンなのに不吉なBGMが流れ続けマッハで不幸になる。 ・子供には見せられないよ! ・総評としては映画として出来は良いけどオススメ出来ない。 全然感想まとまらんけど、すげえもん観ちまったなと思う。 ジョーカーよりも何よりも、この作品に共感して感情移入できちゃう俺自身が1番怖いかも。 これ観て「よく分からんかった」て言える人が羨ましい。 あと、ジョーカーだけじゃなくて、彼の誕生も描かれてたのは驚いた。 — ハワードポッツ ryooo1226 ジョーカーのまとめ 近年、映画における悪役、通称『ヴィランズ』の人気が高まっている。 ディズニーなどにおいても、ヴィランズを主役としたスピンオフ作品が次々と作られている。 しかし、数多くある映画の中で、最も人気な悪役といえば本作の主人公、『ジョーカー』ではないだろうか。 出演回数自体はそれ程多くないにも関わらず、最早カルト的人気を誇っている彼。 依然多くの謎に包まれているジョーカーの真実に迫った一本。 ジョーカーのファンであるならば、見ないと言う選択肢はない。

次の