ナウゼリン 10mg。 『ナウゼリン』は食後に飲んだら効果が無くなる?~用法が「食前」の理由

「ナウゼリン錠10mg」に関するQ&A

ナウゼリン 10mg

1.ナウゼリンの特徴 まずはナウゼリンの特徴について、かんたんに紹介します。 ナウゼリンは吐き気止めです。 主に胃腸のドーパミンのはたらきをブロックする事で吐き気を抑えます。 また嘔吐中枢にはたらきかけることで吐き気を抑える作用も多少あります。 脳には比較的入りにくいため、副作用は少なめです。 ナウゼリンは主に「吐き気」に対して用いられるお薬ですが、吐き気は「中枢性嘔吐」と「末梢性嘔吐」の2種類に分けることが出来ます。 中枢性嘔吐は、脳の延髄にある嘔吐中枢の刺激によって生じる嘔吐です。 そして末梢性嘔吐は、胃などの消化管が刺激されることによって生じる嘔吐です。 ナウゼリンは末梢性嘔吐にはしっかりとした効果を示しますが、中枢性嘔吐に対する効果は弱めです。 しかしこれは悪いことではありません。 中枢性嘔吐に対して効果が弱いという事は、脳にあまり届かないお薬だという事です。 実際ナウゼリンは、脳血管関門と呼ばれる脳に入る関所のような部位を通過しにくい事が分かっています。 脳に入りにくいという事は嘔吐中枢には作用しにくいけども、脳に作用してしまう事で生じる副作用も起こりにくいという事です。 例えば中枢性嘔吐にも末梢性嘔吐にもしっかり効くお薬として「プリンペラン(一般名:メトクロプラミド)」があります。 プリンペランは吐き気を抑える作用は強いのですが、同時に脳にも達してしまいやすいため副作用も生じる可能性が高まります。 具体的には脳のドーパミンをブロックしすぎてしまう事で、「錐体外路症状」が生じることがあります。 これは手足の震えや不随意運動(勝手に動いてしまう)など、困った副作用となります。 以上からナウゼリンの特徴として次のようなことが挙げられます。 【ナウゼリンの特徴】 ・主に末梢性の吐き気を抑える作用に優れる(中枢性にも多少効く) ・脳にお薬が達しにくいため、錐体外路症状や高プロラクチン血症は少なめ スポンサーリンク 2.ナウゼリンはどんな疾患に用いるのか ナウゼリンはどのような疾患に用いられるのでしょうか。 添付文書には次のように記載されています。 噯気(おくび)とはいわゆる「げっぷ」の事です。 またレボドパというのはパーキンソン病の治療薬で、副作用として吐き気が生じる事があるためナウゼリンの投与が有効です。 ナウゼリンを「消化器疾患に伴う不定愁訴」に用いた際の有効率は、• 悪心(吐き気)に対する有効率は70. 嘔吐に対する有効率は74. 食欲不振に対する有効率は61. 腹部膨満感に対する有効率は62. 食後上腹部充満感に対する有効率は64. 胃部重圧感に対する有効率は55. 腹痛に対する有効率は59. 胸やけに対する有効率は61. 逆流感に対する有効率は61. 噯気(おくび)に対する有効率は61. 3.ナウゼリンにはどのような作用があるのか ナウゼリンは吐き気を抑える作用がありますが、これはどのような作用機序で得られる効果なのでしょうか。 ナウゼリンの主な作用について紹介します。 ドーパミン受容体はドーパミンが結合して様々な作用を発揮する部位になります。 消化管のドーパミン受容体にドーパミンが結合すると、胃腸の動きが抑えられることが分かっています。 ナウゼリンがドーパミン受容体をブロックすると、ドーパミンが結合できなくなるため胃腸の動きは活発になります。 これにより胃腸から食べ物が腸に排出されやすくしたり、腸管の動きの活性化が得られます。 これにより吐き気が改善されます。 この効果も脳のドーパミン受容体をブロックする事で得られると考えられています。 ナウゼリンは基本的には末梢性嘔吐に効くお薬ですので、このような中枢作用は弱めなのですが、多少はこの作用も有しています。 中枢性嘔吐への作用が弱いという事は、吐き気を抑える作用としてはマイナスですが、脳への副作用が生じにくいというプラスの面にもなります。 スポンサーリンク 4.ナウゼリンの副作用 ナウゼリンにはどのような副作用が生じるのでしょうか。 また、副作用の頻度はどのくらいなのでしょうか。 ナウゼリンは安全性の高い吐き気止めで、副作用発生率は0. 生じうる副作用としては、• 下痢、便秘• 胸やけ• 乳汁分泌、女性化乳房• 錐体外路障害• 発疹 などがあります。 ナウゼリンは脳に達しにくいお薬であるため、中枢神経系の副作用が生じにくく、多くは消化器系の副作用(下痢、便秘、胸やけ、嘔吐など)になります。 しかし中枢神経系の副作用が全く生じないわけではなく、頻度は低いものの生じる可能性はあります。 特に注意すべき中枢系の副作用としては、「錐体外路症状」「高プロラクチン血症」が挙げられます。 錐体外路症状というのは• 四肢のふるえ• 不随意運動(勝手に動いてしまう) などの症状のことで、これは脳のドーパミンがブロックされすぎることで生じます。 ナウゼリンの主なはたらきは消化管のドーパミンのブロックですが、一部脳のドーパミンもブロックしてしまうのです。 脳のドーパミンが少なくなりすぎてしまう疾患に「パーキンソン病」がありますが、ナウゼリンも脳のドーパミンをブロックする事で人工的にパーキンソン病のような状態を作ってしまう事があるのです。 これを薬剤性パーキンソニズムと呼び、「錐体外路症状」と呼ばれることもあります。 錐体外路症状は命に直結する副作用ではないものの、患者さんの生活に大きな苦痛が生じるものであり、その発症はできる限り避けなくてはいけません。 また錐体外路症状によっては一度出てしまうとお薬を中止しても消えないものもあります。 そのため、これから長い人生がある小児の方には特に起こさないようにすべき副作用になります。 実際ナウゼリンは「小児では錐体外路症状が発現しやすいため、過量投与にならないよう注意すること」と使用上の注意が書かれています。 高プロラクチン血症というのは、プロラクチンというホルモンが増えてしまう副作用で、これもドーパミンがブロックされるために生じます。 プロラクチンは乳汁を出すホルモンで、本来であれば授乳婦において上昇しているホルモンです。 高プロラクチン血症が生じると男性でも胸が張り、乳汁が出てくるようになります。 それだけでなく、乳がんや骨粗しょう症のリスクにもなる事が指摘されています。 またナウゼリンで生じる重篤な副作用としては• ショック、アナフィラキシー様症状• 錐体外路症状(後屈頸、眼球側方発作、上肢の伸展、振戦、筋硬直等)• 意識障害• 肝機能障害、黄疸 などがあります。 これらは頻度は稀ではありますが注意が必要な副作用になります。 最後にナウゼリンは• 妊娠または妊娠している可能性のある方• 消化管出血・機械的イレウス・消化管穿孔の方• プロラクチノーマの方 への使用は「禁忌(絶対にダメ)」となっています。 ナウゼリンは動物実験にて骨格・内臓異常などの催奇形性(赤ちゃんに奇形が生じる現象)が報告されています。 そのためヒトにおいても妊娠中は服用するが出来ません。 また消化管を活発に動かす作用があるため、消化管から出血している方、消化管に腫瘍などのできものが出来てしまい通過障害が生じている方(機械的イレウス)、消化管の壁が破れてしまっている方(穿孔)に用いる事は極めて危険です。 またプロラクチノーマというのは、プロラクチンというホルモンを産生する腫瘍ですが、プロラクチンはドーパミンのはたらきをブロックする事で分泌されやすくなる事が知られています。 という事はドーパミンをブロックするナウゼリンは、プロラクチンの分泌を更に増やしてしまうリスクがあるため、プロラクチノーマの方は使用する事が出来ません。 吐き気は老若男女問わず出現する症状です。 小さいお子様やお年寄りが使う事もあるため、多くの剤型が用意されており、どんな方であっても服用できるように工夫されています。 ナウゼリンの使い方は、 <成人> 通常、1回10mgを1日3回食前に経口投与する。 ただし、レボドパ製剤投与時には1回5~10mgを1日3回食前に経口投与する。 なお、年令、症状により適宣増減する。 <小児> 通常、1日1. 0~2. なお、年令、体重、症状により適宜増減する。 ただし、1日投与量は30mgを超えないこと。 また、6才以上の場合は1日最高用量は1. となっています。 ナウゼリンは基本的に食前に投与することが推奨されています。 その理由は食べ物を食べる前に吐き気を抑えてあげた方がいいからと、空腹時に服薬した方が効きに即効性があるからです。 動物実験でナウゼリンを空腹時(食前)に投与すると、急速に吸収され約15分で血中濃度が最大になる事が示されています。 一方で食後にナウゼリンを投与すると、血中濃度が最大になるまでは30分かかります。 このように食前に服用した方が素早く効果が得られるのです。 また食前に服用した方が、その後に食べる食事を嘔吐してしまうというリスクがなくなります。 ただし臨床的には食前に服薬というのは忘れてしまう事も多いため、食後に服用する事も少なくありません。 6.ナウゼリン錠が向いている人は? 以上から考えて、ナウゼリンが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。 ナウゼリンの特徴をおさらいすると、 ・主に末梢性の吐き気を抑える作用に優れる(中枢性にも多少効く) ・脳にお薬が達しにくいため、錐体外路症状や高プロラクチン血症は少なめ というものでした。 ナウゼリンは吐き気止めの中でも主に末梢性嘔吐に効果を示す吐き気止めです。 そのため安全性を重視して吐き気を抑えたい方にはオススメ出来るお薬になります。 しかし中枢神経への副作用の頻度は多くはないものの、生じないわけではありません。 特に長期間服用していたり、高用量を服用しているとこれらの副作用が生じやすくなります。 このような副作用を起こさないためにも、ナウゼリンは吐き気がある時のみ服用することとして、漫然と長期間服用を続けないように気を付けましょう。 カテゴリー• 247•

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ナウゼリン(ドンペリドン)の作用機序:消化管運動改善薬

ナウゼリン 10mg

患者からの電話より 「今日もらった錠剤、 吐気があるとき1回1個って書いてあるよね? 1錠10mgなんだけど、飲めない時に使ってって出た座薬は60mgなんだよね。 これって量間違ってない?」 確かに、 こんな問い合わせがきたら 一瞬フリーズしてしまいそうです。 このような素朴な疑問って 意外に見過ごされがちですが、 専門以外の人からの質問って勉強になったりします。 では、この理由について みていきましょう! まず、基本的には「坐剤」のほうが 肝臓での代謝(初回通過効果)を 受けにくいので少量で効くと考えがちです。 実際、アセトアミノフェンやジクロフェナク ナトリウムなどでは、経口剤と坐剤って 用量はほぼ同じで、坐剤の方が素早く効くイメージです。 ナウゼリン坐剤では 次のように記載されています。 」 これは実は臨床試験の結果から 得られたもので、意外にざっくりとした 用量指定しかないんですね。 で、なぜ経口剤と坐剤で用量の差が あるのか、というと、その作用機序に よるものと考えられています。 ドンペリドンは、化学受容器引金帯 =CTZと作用して、嘔気嘔吐を抑える とともに、末梢のドパミンD2受容体にも作用します。 胃壁内の神経叢にもD2受容体が存在し、 胃の副交換神経節において抑制的に 働いています。 ドパミンってどちらかというと 「攻撃性」「覚醒」のイメージの物質なので、 交感神経的に働いていますよね。 なので、 という法則に従って、ドパミンにより 胃の運動は抑制されているわけです。 (攻撃時は消化管はお休み状態になります・・・zZZ) 一方で、ドンペリドンはそのD2受容体の 遮断薬なので、AChの分泌を促進させ、 胃と十二指腸の運動は亢進するわけです。 経口剤の場合は、消化管を通るため、 この効果の恩恵を大きく受けることが できるので、少量で効果を発揮できるわけです。 ドンペリドンは中枢性の制吐作用が 強いとされていますが、経口剤では 中枢と末梢の両面から効果を発揮するというわけです。 それが、経口剤の方が坐剤よりも 少量で「制吐作用」を得られる理由と されています。 では、以上です。 最後までありがとうございました! 参考:薬剤師会誌.

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ドンペリドン:ナウゼリン

ナウゼリン 10mg

患者からの電話より 「今日もらった錠剤、 吐気があるとき1回1個って書いてあるよね? 1錠10mgなんだけど、飲めない時に使ってって出た座薬は60mgなんだよね。 これって量間違ってない?」 確かに、 こんな問い合わせがきたら 一瞬フリーズしてしまいそうです。 このような素朴な疑問って 意外に見過ごされがちですが、 専門以外の人からの質問って勉強になったりします。 では、この理由について みていきましょう! まず、基本的には「坐剤」のほうが 肝臓での代謝(初回通過効果)を 受けにくいので少量で効くと考えがちです。 実際、アセトアミノフェンやジクロフェナク ナトリウムなどでは、経口剤と坐剤って 用量はほぼ同じで、坐剤の方が素早く効くイメージです。 ナウゼリン坐剤では 次のように記載されています。 」 これは実は臨床試験の結果から 得られたもので、意外にざっくりとした 用量指定しかないんですね。 で、なぜ経口剤と坐剤で用量の差が あるのか、というと、その作用機序に よるものと考えられています。 ドンペリドンは、化学受容器引金帯 =CTZと作用して、嘔気嘔吐を抑える とともに、末梢のドパミンD2受容体にも作用します。 胃壁内の神経叢にもD2受容体が存在し、 胃の副交換神経節において抑制的に 働いています。 ドパミンってどちらかというと 「攻撃性」「覚醒」のイメージの物質なので、 交感神経的に働いていますよね。 なので、 という法則に従って、ドパミンにより 胃の運動は抑制されているわけです。 (攻撃時は消化管はお休み状態になります・・・zZZ) 一方で、ドンペリドンはそのD2受容体の 遮断薬なので、AChの分泌を促進させ、 胃と十二指腸の運動は亢進するわけです。 経口剤の場合は、消化管を通るため、 この効果の恩恵を大きく受けることが できるので、少量で効果を発揮できるわけです。 ドンペリドンは中枢性の制吐作用が 強いとされていますが、経口剤では 中枢と末梢の両面から効果を発揮するというわけです。 それが、経口剤の方が坐剤よりも 少量で「制吐作用」を得られる理由と されています。 では、以上です。 最後までありがとうございました! 参考:薬剤師会誌.

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