橈骨 遠 位 端 骨折。 遠端橈骨骨折

橈骨遠位端骨折

橈骨 遠 位 端 骨折

<手関節を構成する関節> ・遠位橈尺関節 ・橈骨手根関節 ・手根中央関節 また、橈骨手根関節と手根中央関節の間には6つの手根骨も存在しており、非常に細かい構造となっています。 さらに、それらを手内在筋で安定性を高め、手外在筋で動きを作り出しています。 普段、私たちは当たり前のように手を使って作業していますが、 当たり前のように作業するためには骨折による機能障害でどこに問題が出現しているのかを評価して、そこに対してアプローチしなくてはいけません。 手内在筋機能が低下すると、手外在筋を過剰に使用して負担がかかるかもしれない。 橈骨手根関節に可動域制限があると、手根中央関節、はたまた肘や肩で代償することで痛みを作ってしまうかもしれない。 目的を明確にして評価、アプローチしていくことが重要となります。 年齢別でみると、50~70歳代に多く発生し、80歳以降となると発生率は低くなっています。 これによると、比較的活動性が高い年代に好発していることが読み取れます。 80歳以降で発生率が高くなる傾向にある、大腿骨頸部骨折や上腕骨近位端骨折とは対照的なデータとなっています。 バランスを崩した際にとっさに手が出るか、そのまま大腿や肩を打ってしまうかどうかの差だと思われます。 どのような方に発生リスクが高いかというと、ガイドラインには以下のように記載されています。 骨密度減少は最も大きな危険因子であるが、それ以外にも転倒、過度の飲酒、動物性蛋白質摂取の不足、視力低下や歩行頻度が高いこと、歩行速度が速いこと、利き手が左であることも危険度を高める 引用:橈骨遠位端骨折診療ガイドライン2012 これも大腿骨頸部骨折や上腕骨骨折とは対照的で、歩行頻度が高い方が発生リスクは高いとされています。 このことから、受傷後の上肢機能について介入するのはもちろんのこと、歩行能力についても評価・介入が必要となることが分かります。 また、予後は良好で1年後には9割以上の方が非受傷者とほぼ差がなかったというデータもあります。 Colles骨折は背屈位で手をついた際に受傷しやすく、骨片が背側へ転移するもの。 Smith骨折は掌屈位で手をついた際に受傷しやすく、骨片が掌側へ転移するもの。 関節外骨折であるため、両者ともに予後は良好とされています。 関節内骨折 AO分類ではBの関節内部分骨折に該当します。 その中にBarton骨折があり、背側Barton骨折と掌側Barton骨折の二つに分類されます。 背側Barton骨折はColles骨折と同様に骨片が背側へ転移するもの。 掌側Barton骨折はSmith骨折と同様に骨片が掌側へ転移するもの。 関節外骨折と比べて、関節内骨折では再転移、または変形を起こしやすいため、十分な配慮をした管理が求められます。 背側Barton骨折では、掌屈によって骨折部に離開するストレスがかかり、 掌側Barton骨折では、背屈によって骨折部に離開するストレスがかかるため、 それぞれ対応する動きを伴う場合は、リスク管理が必要になります。 橈骨遠位端骨折の合併症 橈骨遠位端骨折診療ガイドラインには3つの合併症が記載されています。 TFCC損傷 三角繊維軟骨複合体 triangular fibrocartilage complex:TFCC の損傷の診断には、手関節鏡、MRI、手関節造影などが用いられます。 TFCCは三角繊維軟骨、尺側側副靭帯、掌背側の遠位橈尺関節靭帯、関節円盤類似体、尺骨手根伸筋腱の腱鞘によって構成されています。 TFCCの機能としては、遠位橈尺関節の安定性への貢献、橈骨手根間関節の尺側支持機構、手関節における力の伝達に関与しています。 簡単に言えば、TFCCの損傷により手関節の不安定性と筋出力の低下が予測されます。 その結果、不安定性を補うために可動域制限や痛みを引き起こすことも考えられるため、TFCC損傷を合併しているかどうかをチェックしておく必要があります。 舟状月状骨間靭帯損傷 舟状月状骨間靭帯損傷の診断には、単純X線正面像での健側との比較、手関節鏡、MRI、手関節造影などが用いられます。 その名の通り、舟状骨と月状骨をつなぐ靭帯の損傷を指します。 これを損傷すると、舟状月状骨間解離と呼ばれ手根不安定症の中に分類されます。 舟状骨、月状骨は橈骨と橈骨手根関節を構成しており、ここが不安定となると当然可動域にも問題が生じます。 関節を構成する骨が不安定ということは、筋力も十分に出すことができず、 結果的に可動域制限、筋出力低下につながります。 尺骨茎状突起にはTFCCの一部が付着しており、遠位橈尺関節のスタビリティに関与しているとされています。 つまり、尺骨茎状突起骨折によって遠位橈尺関節が障害されると回内外の動きが制限されることが予測できます。 橈骨遠位端骨折の治療 大きく二つのポイントから治療を分けて考えます。 ・関節外骨折か、関節内骨折か ・高齢者か、青壮年者か 関節外骨折と関節内骨折では治療成績が大きく違うということ、高齢者ではベースに骨粗鬆症があることと、活動性が低い場合は機能障害が出にくいことから分けて考えるとされています。 保存療法 関節外骨折で骨転位のない、安定型の骨折であれば保存療法が適応となります。 固定肢位としては、背屈位での固定とCotton-Loder肢位 手関節最大掌屈・尺屈位、前腕回内位 とされています。 固定期間中は患肢の浮腫、手指機能の低下を予防するため、手指を積極的に動かすことが必要となります。 手術療法 関節内骨折では手術療法が適応となります。 多いのはプレート固定で、最も一般的な方法となっています。 こちらも同様に、術後は主治医の指示に従って自動運動や関節可動域運動をおこなっていきますが、浮腫や手指機能低下に注意しつつ、可能な範囲で手指の運動をおこなっていくことが必要となります。 橈骨遠位端骨折のリハビリテーション 急性期 この時期はまだ固定期間中、保存療法であっても積極的な手関節の動きはできない時期。 この時期で重要となるのは、以下のポイント。 <急性期におけるポイント> ・患肢の浮腫の管理 ・CRPSなど合併症のリスク管理 ・手指の動きを状態に応じて積極的に実施 術後の炎症反応、痛みによる運動機能の低下、それに伴う活動性の低下。 この悪循環でどんどん機能は低下していき、合併症のリスクもあります。 その中でできることは、主に手指の運動。 前腕から手関節をまたいでいる筋肉も多いため、手指の動きを十分に出しておくことで手根管部分で腱と他の組織との滑走性を保つためにも重要です。 手の管理 炎症反応の早期改善、浮腫の予防の観点から、患肢は心臓より高い位置でなるべく保持することが重要。 ・上腕の下 ・前腕と腹部の間 それぞれに枕やクッションを入れて高い位置で保持すること、患肢に余計な緊張を与えないことが必要です。 手指の機能 MP、PIP、DIPをそれぞれ十分な可動範囲動かすことも重要ですが、それ以上に手内在筋の機能低下が起こりやすい。 手外在筋では主にPIP、DIPの動き、手内在筋がMPの動きを担います。 ですので、MP関節の自動運動、他動運動ともに十分におこなっておくと良いです。 回復期 大体、6週が経過すると積極的な関節可動域運動もできるようになってきます。 その際、大事になるのが無理やり背屈を強制したり、無理なストレッチをしないこと。 関節可動域運動 急性期では積極的な関節運動はできないため、組織の癒着や瘢痕化が進んでおり、無理やり動かしても改善するどころか悪化させてしまうことも考えられます。 関節可動域運動において重要なのが、関節を構成する両骨の関係性を考慮すること。 手関節(橈骨手根関節)で言うならば、橈骨と舟状骨・月状骨の関係性。 詳しくは以下の記事にまとめてあります。 まとめ ・手の機能だけではなく、活動性の高い方が受傷率も高いということを認識しておく ・橈骨遠位端骨折でもどの型なのか、CollesかSmithかで損傷する部位も変わる ・合併症はあるかないか評価しておく ・急性期では手指の運動が重要となる おわりに いかがでしたでしょうか? 手関節の骨折ですが、腫脹や浮腫によって肘や肩にも影響を及ぼす可能性がありますし、手関節だけでなく手指の機能も重要な要素の一つになります。 骨折部位や症状だけに捉われず、なんでそうなるのか?今後どうなるリスクがあるのか? これを常に考えながら広い視点で考えていただけるきっかけになれば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。 参考・引用文献 1. 橈骨遠位端骨折診療ガイドライン 2. 山内 仁、大工谷 新一:TFCC損傷に対する理学療法-テニスにおけるグリップ動作を中心に- 関西理学6:59-64 2006 オススメの文献.

次の

【実習生・新人さん向け】橈骨遠位端骨折のリハビリテーション

橈骨 遠 位 端 骨折

スポンサーリンク 橈骨遠位端骨折の分類 手をついて転倒した際に発生するが、受傷時の手首の肢位によって骨折のタイプが異なる。 すなわち、手関節が背屈位(手首を反って地面についた状態)か、掌屈位(手首を曲げて地面についた状態)か、回内位(手の平を地面についた状態)か、回外位(手の甲が地面についた状態)かによって色々な骨折が発生する。 一般的に橈骨遠位端骨折はColles骨折(コーレス骨折)やsmith骨折(スミス骨折)、Barton骨折(バートン骨折)などに分類される。 大半は前腕回内位・背屈位で手をついた際に生じる『 コーレス骨折』である。 以下が橈骨遠位端骨折の「コーレス骨折」と「スミス骨折」になる。 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折など)の症状 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折など)の症状は「手首の痛みや腫れ」で変形や運動障害も認める。 コーレス骨折などの橈骨遠位端骨折の診断はレントゲンにて確定される。 橈骨短縮によって相対的に尺骨が長くなる。 尺骨が突き上がっているように見える。 骨片による摩擦、局所の循環障害が原因とされている。 運動時著しい疼痛を訴え、反射性の血管運動神経障害によるものと考えられている。 ちなみに反射性交感神経ジストロフィーは、現在では『』に含まれる。 橈骨遠位端骨折の治療を、小児・高齢者別に解説 小児・高齢者共に、転倒してを突いた際に橈骨遠位端骨折を発症しやすい。 ただし、以下の様にそれぞれ、骨折後の治癒には違いがある。 小児の橈骨遠位端骨折• 小児の骨は弾力性に富み、完全に骨折することはあまりない。 小児に特有な『若木骨折(橈骨に長軸方向の外力が加わり竹の節の様な形に見える骨折)』もよく見受けられる。 骨折の月が早く、少しの変形でも自然にまっすぐになる。 固定期間が長くても手関節の運動(リハビリ)は痛みもなく、すぐに運動ができる。 高齢者の場合• 骨粗鬆症の人が多く、少しの力で骨折する場合がある。 一か所だけ骨折するのではなく、複雑に折れたり他の骨も一緒に骨折することがある。 固定期間が長くなることがあり、運動(リハビリ)は長期間行う場合がある。 スポンサーリンク 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折など)の治療 治療は保存的治療(手術しない方法)が原則である。 転移がない症例(ずれのない症例)は3~4週間のギプス固定で経過観察する(ギプスは前腕から指の根元まで巻く)。 転移を認める症例は徒手整復術を試みる。 受傷早期の症例では無麻酔で整復可能であるが、陳旧例(骨折して何日か経過した症例)や転位が著明な症例や筋肉の緊張が異常に強い症例では、麻酔(腕神経叢麻痺や静脈麻酔など)を用いれ徒手整復術を行う。 整復後のギプス固定は3~5週間行う(ギプスは上腕から指の根元まで巻く)。 以下は、橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)のプロトコールになる。 可動関節の自動運動 ギプスが除去されると手関節屈伸と回内外の自動運動開始。 全可動域の自動運動。 徐々に他動矯正運動。 筋力トレーニング 手指運動。 握力練習、前腕などの等尺性運動。 手指抵抗運動。 手関節は徐々に増加。 抵抗運動。 荷重 ---------- ---------- ---------- X線所見により許可。 注意点 患部挙上。 浮腫と疼痛への対応。 患部挙上。 浮腫と疼痛への対応。 の徴候の有無に注意。 の徴候の有無に注意。 手術をする場合もあるよ 時に、簡単に整復されても、すぐに再転位をきたす不安定な症例もある。 この様な症例では再転位を防止するために経皮的接合術(皮膚の上からピンや釘のような器具で骨折部を固定する手術)を行う。 また、粉砕骨折例(バラバラに骨折し関節面がずれた症例)では内固定術(皮膚を切開して、骨折部を展開しプレートなどでつなぎ合わせる手術)を検討する。 固定中のリハビリとしては、骨折部が安定な症例もある。 この様な症例では再転位を防止するために経皮的骨接合術(皮膚の上からピンや釘のような器具で骨折部を固定する手術)を行う。 又、粉砕骨折(バラバラに骨折し関節面がずれた症例)では内固定術(皮膚を切開して、骨折部を展開しプレートなどでつなぎ合わせる手術)を検討する。 固定中のリハビリとしては、 骨折部が安定しているならば、ボール握りや肘関節の屈指運動により筋力低下を防ぐようにする。 関連記事 コーレス骨折の合併症として注意すべき「CRPS」は以下の記事で解説している。 是非参考にしてみてほしい。

次の

遠端橈骨骨折

橈骨 遠 位 端 骨折

發生率 : 橈骨遠端骨折極為常見,約佔平時骨折 1 / 10。 高風險族群 : 老年婦女、兒童及青年。 好發處 : 骨折發生在橈骨遠端 2 ~ 3cm 範圍內,多為閉合性骨折。 遠端橈骨骨折 Distal radius fracture 分類 1. The patient contacts the ground on the ventral side of hand. [ 臨床案例 四 ] 五、六十歲的婦女常見,原因多半是跌落然後手撐地,跌倒時腕背屈掌心觸地,前臂旋前肘屈曲。 骨折線多為橫形。 骨折遠段向背側,橈側移位,近段向掌側移位,可影響掌側肌腱活動。 Smith's fracture - as reverse dinner-fork deformity. The patient contacts the ground on dorsal side of hand. [ 臨床案例 三 ] 較少見。 跌倒時腕掌屈,手背觸地發生橈骨遠端骨折。 骨折遠端向掌側移位,骨折近端向背側移位。 Barton's fracture - an intra-articular fracture of the distal radius with dislocation of the radiocarpal joint. [ 臨床案例 一 ] 骨折是指通過橈骨遠端部分關節面的邊緣骨折,處理不好會影響上面的軟骨,將來容易退化性關節炎。 放射科診斷 當橈骨遠端變形時,臨床診斷可能是顯而易見的,但仍應再透過 X 光確診。 鑑別診斷包括舟狀骨骨折和手腕脫臼。 有時,受傷後馬上照 X 光可能無法觀察到骨折。 持續追蹤的 X 光有助於確診。 在判讀過程中可以問以下四個問題 1. 正常解剖構造是否有任何損傷? eg, fracture displacement or angulation, loss of radial height?. 有無影響到腕關節及遠側橈尺關節? 而檢查一個潛在的橈骨遠端骨折,需要包括評估橫向的 X 光的關節面的角度,評估因骨折塌陷所減少橈骨的長度,及評估遠側橈尺關節的一致性。 關節面是否連續? 而關節面的位移是影響預後和治療的最重要因素。 有無高風險特性存在? Moore -clinically oriented anatomy 6E 3. 放射科陳潓誼醫師講義 4. 感謝放射科許正男醫師指導.

次の