マイコプラズマ 肺炎 診断。 新型コロナ感染症:難しい「肺炎」診断を専門家に聞く(石田雅彦)

マイコプラズマ肺炎のCT画像診断のポイントは?

マイコプラズマ 肺炎 診断

マイコプラズマ肺炎に診断基準はあるのか? マイコプラズマ肺炎の明確な診断基準はありません。 とはいえ、診断に至るまでの流れは存在します。 マイコプラズマ肺炎の診断を行うためには、まず最初にの原因が非定型なのかどうかを考えなくてはなりません。 非定型とはマイコプラズマ肺炎・・などのことを指し、通常のとは症状の特徴が異なります。 日本呼吸器学会が一般的な( 肺炎球菌性など)と非定型(マイコプラズマ肺炎など)の簡単な見分け方を公表しています。 【と非定型の見分け方】• 年齢が60歳未満• 元来持病( 基礎疾患)がない、あるいは軽微である• 頑固な咳がある• 胸部 聴診を行っても 所見が乏しい• 痰がない、あるいは迅速診断法で原因となる 細菌が見つからない• また、すぐに血液検査ができない場面では、1から5までで3項目以上該当する場合に非定型を疑います。 マイコプラズマ肺炎を疑った時に行う検査は? マイコプラズマ肺炎を疑ったときに行われる検査は以下が代表的なものです。 血液検査• 炎症の程度• 抗体検査• 寒冷凝集反応• 迅速診断キット• 15分ほどで結果がわかる• 検査結果の信頼性はあまり高くない• 画像検査( 胸部レントゲンや CT検査)• 肺の中でニューモニエの炎症が起こっている部分に白い影がうつる• 細菌検査( 培養検査やPCR検査)• 痰(たん)などから病原体を見つける• 以外の病原体が原因になっているかどうかを見分ける これらの検査を用いてマイコプラズマ肺炎の診断確率を高めていきます。 マイコプラズマ肺炎は ウイルス性や以外のと区別するのが簡単ではありません。 またに加えてほかの病原体にも同時に感染(重複感染)することもあります。 こうした場合には、身体診察や検査結果から複合的に判断することになります。 免疫グロブリン(IgM抗体、IgG抗体、IgA抗体) 体内で感染が起こるとこれを鎮める役目の物質が作られます。 これを抗体と言います。 マイコプラズマ肺炎に対しても抗体が作られるため、マイコプラズマ肺炎を診断する目的で体内の抗体の量をチェックします。 マイコプラズマ肺炎の検査でチェックする抗体は、IgM抗体・IgG抗体・IgA抗体です。 マイコプラズマ肺炎の診断ではPA法(粒子凝集反応法)とCF法( 補体結合反応法)という検査がしばしば用いられます。 前者は主にIgM抗体を反映し後者は主にIgG抗体を反映すると言われています。 PA法 CF法 抗体価の上昇する時期 症状が出てから1週間程度 症状が出てから2週間程度 抗体高値が持続する時期 1-2ヶ月程度 数ヶ月以上 検査に反映される抗体 主にIgM抗体 主にIgG抗体 マイコプラズマ肺炎を疑う抗体価の基準 単一血清:640倍以上 ペア血清:4倍以上 単一血清:64倍以上 ペア血清:4倍以上 *単一血清:感染している時期に1回の採血で調べた場合の抗体価 *ペア血清:1回目の採血後に数週間開けて2回目の採血を行って比較した抗体価 IgA抗体についてはELISA法(EIA)という検査を行って調べられます。 この検査ではIgM抗体・IgG抗体・IgA抗体の全てを調べることができますが、検査を行える施設が限られています。 抗体検査は完璧な検査ではありません。 抗体価の上昇のタイミングと持続期間は個人差があることには注意が必要です。 以下の問題が常に存在します。 感染したからといって絶対に抗体値が上昇するわけではない• 感染してから抗体価が上昇するまでにタイムラグがある• 以前の感染の影響を受けて抗体値が上昇したままでいることがある• ペア血清を用いたチェックは精度が高いが、2回目の抗体価がわかったときには病状が回復してしまっていることが多い• 単一血清の抗体価のみだと検査の信頼度が高くない 抗体検査の結果を機械的に鵜呑みにすることはできません。 今の抗体価は今困っている感染症を本当に反映しているのかを常に考える必要があります。 寒冷凝集反応 寒冷凝集反応とは採血した血液の中から寒冷凝集素という物質の値を求める検査です。 上で述べた抗体の中でもIgM抗体によって起こる反応です。 256倍以上の値になるとマイコプラズマ肺炎を疑う異常値となります。 マイコプラズマ肺炎では寒冷凝集素が上昇します。 症状が出現してから1週間前後で上昇することが多いのですが、マイコプラズマ肺炎になっても全く上昇しないことも少なくないので注意が必要です。 また、マイコプラズマ肺炎以外でも寒冷凝集反応は異常値となることがあります。 寒冷凝集素症• マクログロブリン血症 これらの病気で寒冷凝集反応が異常値となる場合があることがわかっています。 つまり、寒冷凝集反応は正常値であろうと異常値であろうと決定的な証拠とはならないので、検査の結果を診断の参考にするのが妥当です。 この迅速診断法は素早く結果が出ることが大きな利点になりますが、検査の 感度・ 特異度があまり高くないことが課題です。 感度とは「病気のある人が正しく検査陽性となる割合」のことを指し、特異度とは「病気のない人が正しく検査陰性となる割合」のことを指します。 現状の迅速検査キットは優れた精度を持つ検査であるとはいい難いので、陽性と結果が出ようが陰性と結果が出ようが、実際にマイコプラズマ肺炎なのかどうかを確定させることは難しいです。 検査結果を信用できないということは、検査をしようがしまいが診断は変わらないということを意味します。 上で述べたように、血液検査でマイコプラズマ肺炎の診断をつけることはできますが、結果が出るまでに長く時間がかかりますのであまり現実的ではありません。 一方で、迅速検査キットは素早く検査結果が出ますが、その正確度には課題が残ります。 そのため、患者さんが どういった状況下にあってどういった症状が出ているのかを理解することがマイコプラズマ肺炎の診断をつける上で最も重要になります。 マイコプラズマ肺炎のレントゲン検査 胸部レントゲン検査では、 X線を胸にあててその吸収率を測定することで肺の中身をみています。 マイコプラズマ肺炎でみられる レントゲン検査の特徴的な所見は、粒状影と呼ばれる数mmの小さな白い影になります。 ときに肺の中の広い範囲で大きな白い影(コンソリデーション)が見られることもありますが、マイコプラズマ肺炎に典型的ではありません。 胸部レントゲン検査ではいわば影絵のように肺を見ていますので、どうしても検査の限界があります。 検査をしても肺の様子がはっきりとわからない場合があります。 現在の医療技術ではどうしてもある程度の確率でこれらの見逃しが生じますが、見逃しの確率を下げるためにマイコプラズマ肺炎に特徴的な画像所見を押さえておくことが大切です。 一方で、 レントゲン検査よりも胸部CT検査のほうが医療被曝量が多いです。 放射線の人体への影響力を表す単位としてシーベルト(Sv)というものがあります。 数字が高ければ高いほど人体への影響が強いことになります。 胸部X線検査と胸部CT検査の被曝量は以下になります。 【胸部レントゲン検査と胸部CT検査における被曝量の比較】 検査内容 被曝量 胸部レントゲン検査 0. 2mSv 胸部CT検査 7. 19mSv 胸部レントゲン検査を1回行うと、飛行機で東京とニューヨークを往復したときと同じ被曝量になります。 単純計算で言うと、胸部CT検査をの被曝量は胸部レントゲン検査を35枚撮影したときと同じくらいになり、胸部CT検査のほうが人体への影響が危ぶまれます。 マイコプラズマ肺炎の遺伝子検査 マイコプラズマ肺炎の診断をつけるために、痰(たん)やのどの奥の分泌液を用いてニューモニエの遺伝子検査を行うことがあります。 しばしば用いられるのがPCR(polymerase chain reaction)法とP(loop mediated isothermal amplification method)法です。 どちらも優れた検査精度を誇りますが、PCR法は不純物質が混ざると検査精度が落ちてしまう一方で、P法は比較的影響を受けにくいとされます。 症状が出てから1週間以上経たないと陽性とならない抗体検査と違い、症状の出始めから遺伝子検査を行うことができます。 また、検査結果が出るまでに数時間しか必要ありません。 しかし、医療機関内で検査ができない場合は検査できる機関に 検体を送って検査するため、結果が返ってくるまでに数日はかかります。

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マイコプラズマ肺炎(2)「検査,診断,治療」 : EARLの医学ノート

マイコプラズマ 肺炎 診断

マイコプラズマが主に引き起こすのはです。 ご自身でも分かるマイコプラズマ肺炎の典型的な症状のひとつは、乾いたしつこい咳です。 では、病院ではマイコプラズマ肺炎を診断するために、どのような検査をしていくのでしょうか。 マイコプラズマの検査と診断から治療の流れについて、川崎医科大学小児科学教授の尾内一信先生にお話をお伺いしました。 マイコプラズマ肺炎の検査と診断とは 胸部レントゲン撮影 を疑った際にまず行う検査は、胸部レントゲン撮影です。 迅速診断法、核酸増幅法、血清抗体価測定 迅速診断法は、喉の奥をこすって菌がいるかどうかを調べる検査です。 喉の奥をこすった後、20分ほどで結果が出ます。 すぐに結果が出る非常に簡便な検査です。 核酸増幅法も、喉の奥をこするか、または痰を調べる検査です。 これは結果が出るまでに少し日数がかかるため、すぐに治療に入るときには少し不便です。 一般的な検査としては、上記の迅速診断法に加え、血液検査でマイコプラズマの血清抗体価を測定し、それを組み合わせることによって診断する方法があります。 血液検査における白血球 細菌感染などが生じた場合、血液検査を行うと白血球数の上昇がみられます。 一方で、マイコプラズマ肺炎の場合は白血球が正常あるいは低下することが特徴的です。 マイコプラズマ肺炎の検査、診断から治療へ 次に、治療の流れについて説明します。 検査により診断を確定してから治療、という流れになることもありますが、症状や胸部レントゲン検査の結果からが疑われる場合は、診断が確定する前に治療を開始することがほとんどです。 治療に使う抗菌薬と 対症療法 治療に使用される抗菌薬は、マクロライド系のエリスロマイシンなどが主になります。 抗菌薬を10~14日間内服し、効果がではじめると徐々に熱が下がり、咳などの症状も軽減して回復が早まります。 ただし、熱や咳などの症状が強い場合は、解熱剤や鎮咳薬を処方することもあります。 マイコプラズマは、抗菌薬ですぐには死滅せず、数週間にわたって体内に生息します。 他の人に感染することもあり、咳エチケットなど生活には留意する必要があります。 治療についての詳細は、「」をご参照ください。

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マイコプラズマ肺炎の症状とは?

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マイコプラズマ肺炎とは、多くの人の咽喉に生息しているマイコプラズマという病原体によって起こる肺炎のことです。 マイコプラズマは細菌に分類されますが細胞壁を持っておらず、増殖に生きた細胞を必要としないためウイルスでもありません。 感染力が弱く、発病率も低いため健康な人の場合は発病しません。 しかし、体力が低下している時や、咳をしている人の近くにいてマイコプラズマを一度にたくさん吸い込むと発病します。 10代から30代までの若い人が感染することが多く、発病してもほとんどの場合軽症ですみます。 約40%の人が1歳までに、約65%の人が5歳までに感染するといわれており、 大人 成人 になるまでには約97%がマイコプラズマに感染しています。 以前は4年ごとのオリンピックの時期に流行したため 「オリンピック病」とも呼ばれていましたが、最近は毎年のように流行しています。 2011年には、皇太子ご夫妻の長女愛子さまがマイコプラズマ肺炎と診断されました。 マイコプラズマ肺炎の一般的な症状はせき、発熱、頭痛、倦怠感で、普通の風邪と見分けがつかず診断や治療・入院が遅れるケースが多くみられます。 普通のかぜとの違いは、せきに痰がからまず長く続き、胸や背中の筋肉が痛くなることがあるという点と、38度以上の高熱を伴うという点です。 一般的な肺炎と異なるため、 「非定型肺炎」「異型肺炎」などと呼ばれることもあります。 マイコプラズマ肺炎はかぜと見分けがつかない場合が多くありますが、次のような症状がみられたらマイコプラズマ肺炎の疑いがあるため早めに受診することをおすすめします。 基礎疾患がない、もしくはあっても軽い• 鼻水やのどの痛みなどがない• たんの出ないかわいた咳が続く 特に早朝と就寝前に頑固な咳が続く• 37-39度程度の熱が続く• 60歳以下である• 全身倦怠感 マイコプラズマ肺炎の場合、聴診しても肺炎を疑う雑音を発しないため、肺炎であるかどうかを診断するには胸部X線撮影の必要がありますが、X線だけではマイコプラズマ感染による肺炎かどうかを判断することはできません。 CT検査の場合は気管支壁が厚くなり、斑状の影が散在しているのがみられるため、他の肺炎との識別が可能です。 マイコプラズマ肺炎であるかどうかを確定するには血清のマイコプラズマ抗体値を測定する必要があります。 検査にかかる時間は30分程度ですが、検査キットを置いていない医療機関の場合は外部に委託しなければならないため結果が出るまでに1週間以上かかります。 この他、痰を培養する方法、遺伝子を増やして診断する方法、蛍光抗体法による抗原検出法、発病早期に上昇するIgMという抗体を検出する方法などがあります。 最も早く結果を得られるのは遺伝子を増やす方法ですが、検査ができる施設は限られています。 もし、激しい頭痛や嘔吐などの症状が現れたら髄膜炎を併発しているおそれがあるので一刻も早く医師の診察を受けましょう。

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